ドナウクルーズを楽しむ | ドナウ運河とドナウ川(ヴァッハウ渓谷)

”ウィーン”と”ドナウ”で連想するする音楽は、やっぱり、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ、美しく青きドナウ。オーストリアでは第二の国歌と呼ばれるほどの名曲です。

この曲の日本語名については、”美しく”の部分は正しくは”美しき”で、美しき青きドナウになるのではないか?、という議論が長年あるらしく、その理由がなんとなく理解できます。この曲名が意味するのは、「ドナウは青さが美しい川」なのか、「ドナウは美しい青色の川」を」なのかが論点なのでは、と勝手に想像しています。



いずれにせよ、この曲でドナウ川は美しい、というイメージがぐんと上がり、「ウィーンにきたらやっぱりドナウを見たい。」と、思う旅行者がいるのではないでしょうか。

正直なところ、ドナウ川の「青さ」も、ドナウ川自体の美しさも、微妙なところがあります。
エメラルドブルー色のきらきらーな輝きを期待すると、がっかりするかもしれません。

しかし、ドナウ川の魅力は川ではなくて、「川沿いの景観」にあります。川沿いの小さな街、周辺に広がるブドウ畑、山の上に見え隠れする廃墟となった古城・・。ゆったりとした川の流れと風景がマッチした時に、あのワルツの名曲を連想させます。

ドナウ川観光を楽しむには、やっぱりクルーズがおすすめです。
ドナウ川クルーズには、「ドナウ運河クルーズ」と「ドナウ川クルーズ」があります。

ドナウ運河クルーズ

実は、「ドナウ運河」と「ドナウ川」が混合されるケースがしばしあります。ドナウ運河クルーズは、ウィーン市街付近の運河を中心に巡るので、旅行者が夢見る、「美しく青きドナウ」の世界観はそれほどありません。

その代わり、ドナウ運河クルーズでは、気持ちよい風を浴びながら、近代的なビルと古い建物がおりなす街の景色を眺める、あるいは、ウィーンの夜景を見ながら船上でディナーのひととき、といった楽しみ方が向いています。また、クルーズ船の発着場所である遊覧船ターミナルは、レストランやカフェがあるので、クルーズ以外でも楽しめるスポットです。

ドナウ運河クルーズの発着場所

ドナウ運河クルーズをはじめ、ブダペスト行き等のドナウ川運行船は全て遊覧船ターミナル(ウィーン・シティ・シップステーション Wien City ship station :Wien City Schiffstation )が発着場所となっています。ターミナルの全長は全長127メートル。船を思わせるフォルムの建物です。

遊覧船ターミナルの場所

地下鉄Uバーン1番、4番で行く、Schwedenplatz駅から徒歩で約2分です。駅を出て、川沿いにある船の形をした建物が発着所です。

グーグルマップ | Schwedenplatz

ドナウクルーズのサイトはこちら↓です。(独・英を含む4ヶ国語)
http://www.ddsg-blue-danube.at/

スロバキアのブラチスラヴァまでは、Twin City Linerという高速船が出ています。
http://www.twincityliner.com/ (独・英)

ヴァッハウ渓谷のドナウ川クルーズ

「美しき青きドナウ」の世界観に近づけるのは、「ドナウ川」での遊覧船観光です。ドナウ川遊覧船は、ヴァッハウ渓谷のメルクMelkからクレムスKrems間で運行しています。

ドナウ川観光を楽しむには、ガイドブックでよくおすすめになっている、以下のルートがおすすめです。

[ ドナウ川クルーズのおすすめルート ]

ウィーン西駅 Wien Westbahnhof から列車でメルク Melkへ。

快速列車REXで約1時間15分。

駅で購入するチケットは、ヴァッハウコンビチケットWachau Kombiticketがお得で便利です。チケットには以下が含まれます。
・ ウィーンからメルクMelk(またはクレムスKrems)までの往復の列車乗車料金
・ メルク - クレムス間の遊覧船乗船料金
・ メルク修道院の入場料

コンビチケットの値段は49ユーロです。(2012年8月現在)
SIGHTSEEING CRUISES WACHAU | COMBI TICKET TRAIN + SHIP + ABBEY MELK 

コンビチケット各種
http://www.ddsg-blue-danube.at/eng/cruises_wachau_combitickets.php

メルク Melk 観光

山の上にある、メルク修道院の巨大さは必見。駅からの道がよく分からなくても、メルク修道院に向かって歩いていくと街の中心地へと行けます。修道院は、概観だけでなく内部も見ごたえあり。

メルク修道院
http://www.stiftmelk.at/ (独・英・伊・仏)


ドナウ川クルーズ

メルク修道院の裏手の、ドナウ川沿いにある遊覧船乗り場から乗船。
メルクからデュルンスタイン Dürnstein までの区間で楽しむドナウクルーズです。
クルーズの時間は約80分。
メルクを出航→シュピッツSpitz 着→デュルンシュタイン着の順です。

ヴァッハウ遊覧船
http://www.brandner.at/ (独・英)
遊覧船スケジュール2013年度

※ 夏のピークシーズンは混みます。空席を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、船内を歩きながら景色を眺めていると、それほど疲れは感じないかも。ちなみに、9月末の冬の運休間際は空いているので、ゆったりしたクルーズを楽しむなら、オフシーズンがおすすめです。

デュルンシュタイン Dürnstein 観光

パステルブルーの教会と可愛らしい町並みが絵になる小さな町。山頂にある古城まで頑張って登ると、ドナウ川が一望できます。

デュルンシュタイン Dürnstein
http://www.duernstein.at/

デュルンシュタインからクレムス Kremsへ

デュルンシュタインからクレムス Kremsへは、普通電車で約15分ですが、土日のみの運行です。本数も極めて少なめです。
ホームが1つある小さな無人駅で、線路があるのでかろうじて駅と分かります。電車は駅ホームから見て左方向からやって来る電車がクレムス行きです。キップは電車の中で購入します。

電車は土日のみの運行なので、週日はバスで移動(約20分)することになります。バスの運行は電車のスケジュールにあわせてあるので、バスでの移動でも特に不便はありません。 バス停の場所は駅近くのインフォメーションオフィスで確認を。

※デュルンシュタイン-クレムス間への電車・バスの移動には、ヴァッハウコンビチケットは使えません。別途運賃を支払う必要があります。

クレムス到着。クレムス駅から列車でウィーンのフランツ・ヨーゼフ駅 Franz-Josefs-Bahnhofへ

バス(普通電車)のスケジュールにあわせてウィーン行きがでるので、クレムス観光をする予定がない場合は直ぐに駅へ向かい、快速電車REXに乗ります。
クレムス駅からフランツヨーゼフ駅への所要時間は約1時間です。

ちなみに、クレムスはワインの生産地として知られています。
http://www.krems.gv.at/

ヴァッハウ渓谷 Wachau